カテゴリー 12022年採択

愛媛県立松山東高等学校

対象者数 720名 | 助成額 200万円

https://matsuyamahigashi-h.esnet.ed.jp/

Program東高 がんばっていきましょい
-グローカルな学びの継承-

 本校は、文部科学省指定のSGH事業・地域協働事業において、総合的な探究の時間で行う課題研究等を通して、グローバルな視点を身に付け、地域課題の解決に貢献できるグローカル人材の育成に努めてきた。新学習指導要領の教育課程では、総合的な探究の時間として学校設定教科「総合」を設け、学校設定教科「明教探究基礎」(2単位)等で、地域人材を活用した課題研究を実施する。

 具体的には、1年では地域課題の発見や松山や愛媛の歴史の研究、愛媛の海外進出企業の取り組みなどをテーマに、担当教員と産官学との連携を図り、年間を通して課題研究を行うことで、グローバルな視点から地域課題を解決する素地を育成する。

 2年では、専門コースを設定し、専門の講師の指導を受け、各講座少人数で専門的分野の課題研究に取り組む。コンテストや大会にも応募し、全国に通用する表現力や情報発信能力の育成を目指す。

 また、「East CLIL(内容言語統合型学習)」という英語と他教科が連携した学習や、海外フィールドワークなどの交流活動も計画しており、グローバルな視点で、地域課題の解決に向けて主体的に活動する地域リーダーとしての資質・能力を備えた人材の育成を目指す。

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活動レポートReport

地域のリーダー人材の育成と故郷で活躍できる環境づくり

 文政11年設立の藩校・明教館の流れを汲む県内最古の高校で、小説『坊っちゃん』の舞台としても有名。愛媛県を代表する公立進学校だけに、卒業後の生徒の県外流出は多く、令和元~3年度には文部科学省からグローカル型推進事業の研究指定を受け、グローバルな視点を持った地域人材の育成に重点を置いてきた。 

 今年度1年生の新教育課程からは、独自の学校設定教科「総合」がスタート。1年生では、「明教探究基礎」として、探究活動やプレゼンテーションの基礎を学ぶ。担当教員から20ほどに大別されたテーマが提示され、生徒たちはその中からテーマをより具体化し、各担当教員の指導を受けて探究活動をする。

 2年生になり、GLコースを選択した約80名の生徒は、産官学の専門分野講師に師事して、「グローカル明教Ⅱ」という少人数で専門的な探究活動に励み、12月の中間発表、学年末の最終発表に備える。また専門コース以外の生徒も「明教」という授業でそれぞれ探究活動を行う。そして3年生では、それまでの活動の成果を基に、自らの進路実現に向けた課題解決へと進むという学習スケジュールになっている。

 3年間にわたる文科省の地域推進事業と、その前5年間のSGH事業において大学・地域企業・NPO法人などとの連携も確立しており、専門講師の招聘や講演会の開催などに対するノウハウは蓄積されている。また、各分野で活躍するOB・OGが、自らの体験も交え、生徒たちにとって有意義なトピックスを講演してくれる「明教講座」という講演会も、年に2回程度行われている。

 「総合」とは別枠だが「East CLIL(内容言語統合型学習)」という、英語と他教科を連携させた授業も特徴的だ。英語と各教科の教員がペアを組み、英語で授業を行うもので、語学力向上だけでなく、異文化理解や、思考力・判断力・表現力・分析力の育成にもつながるという。

 グローカルリーダーとしての素養を育成するため、各種交流活動にも注力している。希望者を中心に、海外フィールドワークや留学生との交流、他校との合同会議なども、長年積極的に実施。新型コロナウイルスの流行以降は、直接対面しての活動は難しくなっているが、夏休み・冬休みを利用して、オンラインでの交流の場を設けマネジメント力やディスカッション能力の向上も図っている。

昨年度の課題研究で、2年生の生徒6名が商品開発した「シークヮーサーマーマレード」が、第4回ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会で銅賞を受賞。今年5月14日(マーマレードの日)に行われた販売会で200個を完売した。

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