カテゴリー 12023年採択

兵庫県立神戸甲北高等学校

対象者数 600名 | 助成額 200万円

https://dmzcms.hyogo-c.ed.jp/kohoku-hs/NC3/

Program生涯探Cue時代を生きる世代の社会創出力育成キャリア教育プログラム

 キャリアテーマ「Leading Visions!」のもと、「産業社会と人間」「総合的な探究の時間」「多様な教科・科目」という総合学科の強みを生かし、さまざまな地域や専門機関と連携した授業運営・学びの支援を行う。多様なきっかけ(Cue)を与えながら3年間を通したキャリア教育を行うことで、生徒自身が学びを組み合わせ、オリジナルの「個別最適な学び」によって自らのビジョンを設計する。体験・実践を通して、コミュニケーション力や未来創造力、提言力を身に付け、VUCA時代・Society5.0・2050年を生きる生徒の未来社会創出力を養成する。

① 「自己」「地域」「社会」に目を向けた個別最適のキャリア教育の実践
② 地域に密着した外部連携の高度化
③ 高校生の力を地域へ還元する行事の開発
④ 指導教員のキャリア指導体制の強化   
⑤ 外部発表による生徒の発信力・提言力の向上
⑥ プログラムの発信力強化

 これまで実践してきた教育内容だけでなく、より高度なインターンシップや探究活動、外部専門機関との連携(神戸親和大学との共同研究等)、発表会を通して、総合学科ならではの高度な教育活動の充実を図る。

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活動レポートReport

1年次から注力するキャリア探究プログラム

 2024年2月、兵庫県初の総合学科校である神戸甲北高校は、キャリア探究プログラム「Kシリーズ(甲北のK)」を含む多様な授業の成果を発表する総合学科発表会を、区のホールで開催。立候補した生徒による実行委員会が企画・運営を担った。まずは1年生が、1年次対象のプログラム「K-Basic」を紹介。自己探究・社会探究・進路探究の三つの柱で構成された活動の紹介後、年次最後に行った3分のキャリアデザインスピーチを代表の生徒が披露した。2年次の「K-Standard」では、まちづくり・心理・保育・ファッション・スポーツ健康ゼミに分かれ、地域や大学、専門機関と探究活動を実施。発表会では各ゼミの代表が成果を報告した。3年次の「K-Advanced」では進路につながるディベートや小論文などに取り組んでおり、ここではディベートのデモンストレーションが行われた。「発表会に際して、生徒たちの実行力、やりきる力に驚きました」と、Kシリーズを主導する久保淳平先生は話す。

 総合学科は、多様な選択科目が設定され、好きな科目を学べるというメリットがある一方で、将来を見据えて選択しないと、3年次で後悔することも。「1年生前期にキャリアイメージをしっかり持たせることが重要」と久保先生は話す。そこで「K-Basic」では自分の短所・長所を見つけるプログラムや、各分野で活躍している方の講演会など、キャリア発見のきっかけ(Cue)となる機会提供に力を入れている。3年生の藤田愛結花さんは「K-Basicでは自分がしたいことを考える機会がたくさんあって、自分の夢を追いかけてもいいのかという不安も払しょくできたし、この道に進もうという決意にもつながりました」、同じく3年生の道行里音さんは「業界をリサーチしたり、講演会で『視野をもっと広く持つべき』と聞いて、自分に向いている職業は別にあると気づけました」と振り返る。

 ここ数年で若手の教員が増え、校内の様子が変わったと久保先生は語る。「先生方からの提案も増え、教員による学校評価アンケートも評価が上がりました」。地元のまちづくりに取り組む授業「神戸の研究」を担当する澤田慎司先生は、生徒についても「以前は自発的に探究活動をする生徒が浮いてしまう雰囲気がありましたが、今は当たり前という認識に変わってきました」とその変化に驚く。柔軟性を持った若い教員という新たな風によって、これまでの積み重ねが成果として形に表れつつある。

2年次の「K-Standard」の中で、地域の方にインタビューする高校生。大学生と共に活動に取り組んだまちづくりゼミの生徒たちが地元のスポットを取材して書籍を発行するなど、目に見える形で実績を出し始めている。

同校は、2025年度に神戸北高校と統合することが決まっており、久保先生は「このいい流れを加速させながら、地域との連携が強い神戸北高校のノウハウを取り入れていきたい」と話す。

2024年2月の発表会は、初めて地域の外部ホールを貸切って実施。

探究活動に協力いただいた大学や企業、行政などの関係者もご招待した。

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