Program館女の女性学 ~女性の生き方探究~
「総合的な探究の時間」において、「女性としてこうあるべき」という社会通念に縛られることなく、一人ひとりが可能性を開花させ、自分の人生を自分で選択して生きていくための力を身に付けることを目標とした「女性学」を開講している。
SDGsの目標5「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」を基礎として学び、その視点を踏まえて、SDGs全ての目標の課題解決を目指す探究学習である。
【特徴】
1.「女性学実行委員会」を組織し、生徒主体の授業の企画・運営
2.本校の「女性学」ならではの充実した講演会・読書会等の実施
3.立命館SDGs推進本部、立命館大学Sustainable Week実行委員会より講師を招聘
4.大津・京都のフィールドワークを通してSDGs達成・社会課題解決を目指す
SDGsスタディーツアーの実施
5.館林市内のフィールドワークを実施し、地元のSDGs達成・社会課題解決を目指すBoot Campの実施
6.県内外の高等学校・中学校、地域の市民講座等に向けた出張プレゼン、出前講座の実施
活動レポートReport
生徒が運営する「女性学」
1917(大正6)年の館林町立実科高等学校(のち県立の高等女学校)を前身とする伝統校。かつて普通科英語コースが設置され、2003~05年度には文科省のスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)にも指定された。
19年度から開講している「女性学」は、創立100年を超える女子校ならではの取組として、女性の生き方に特化した教育プログラムとして構想された。教師側が作成した指導案に基づき、各クラス2~3人の生徒による「女性学実行委員会」が授業の企画・運営を行っているのが特色だ。委員には教師志望の生徒も少なくないという。
SDGsの目標5「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」に関する授業や講演会、課題解決学習を実施。「人間学でもあります」と、高橋布美恵教諭は説明する。3学年全体に展開される21年度は、探究係を指導力向上推進部から進路指導部に移行。SDGsへの興味から、進路実現にもつなげたい考えだ。
SDGsに関する講師を探す中で、立命館大学Sustainable Week実行委員会と、同委を在学中に立ち上げた一般社団法人インパクトラボ(大津市)の上田隼也代表理事との関係ができ、アドバイザーとして指導・助言や運営支援を受けている。当初のクラス担任主導から生徒主体にしたのも「『館女の女性学』を持続可能にするには、生徒たち自身でできるようになるといいですね」という上田代表理事らのアドバイスによるものだ。
「館女の女性学」に興味を持って入学する生徒も出始めたという。
渡辺敦司(教育ジャーナリスト)