ProgramSDGs未来都市横浜発 グローカルリーダーの育成
~課題発見力・課題解決力を身につけて未来を切り拓く~
ユネスコスクールとしてESD×SDGsのレンズを通して生徒の自己探究と他者承認に基づく行動変容を促し、グローカルマインドを醸成するプログラム。探究活動のプロセスを重視し、生徒がキャリア自走できるように学びの深化を図る取り組みを実践していく。
・総合的な探究の時間(イーストタイム)
SDGsを学びの切り口の一つとして、将来のあるべき自分像からバックキャスティングして、自身の学びにつなげる。1、2年次では、講演やワークショップ等を通して、グローカルな視点で課題発見をして、他者との討論や活動テーマの考察を行い、探究活動を進めて成果を発表する。3年次は個人の探究活動を深め、レポート作成や大学等での研究発表に挑戦していく。
・希望参加型のワークショップ等の実施
「Higashi“Glocal@Y”(グローカリー)」と呼ぶワークショップ、フィールドワーク、ボランティア等の活動を実施。UNIS(国連国際学校)/UN(国際連合)派遣等を予定している。
・教員研修
教員がさまざまなセミナー等に参加し、探究学習支援やSDGs等に関する知見を高めていく。
・サステイナブル研究部への支援
SDGsの視点での活動を行っている部活動に対して、バガスプロジェクト※1、ハンガーバンケット※2、ピンクシャツ運動※3等のさまざまな取り組みを支援します。
活動レポートReport
ユネスコスクールとして ESD活動を多彩に展開
国際都市として知られる横浜市は2018年6月、国のモデル事業として「SDGs未来都市」に選定された。これと連動して17年度、第3期横浜市教育振興基本計画(18~22年度)に基づく市立高校(9校)の特色づくりの一環としてESD(持続可能な開発のための教育)推進校の指定を受け、18年7月にユネスコスクールにも認定されたのが、1963(昭和38)年創設の市立東高校だ。以前から帰国生徒や留学生などを受け入れていたことも背景にあった。
グランドデザインでは、ユネスコスクールとしてESDの推進を通して育成する具体的な資質・能力を▽「言葉の力」と「聴く力」を身につけ、論理的な思考力と高いコミュニケーション力▽「主体的な学び」の成果をもとに、より高い進路目標の実現に向けて挑戦する力――と設定。学習活動の柱として、国際理解教育、社会貢献活動、そして総合的な探究の時間を活用した教科横断型学習「イーストタイム(課題探究学習)」と、課題探究発表会を据えている。
イーストタイムでは、まず1年次にSDGsを切り口とした講演会やワークショップなどで「知識のシャワー」を浴びせ、グローカルな視点で自分なりの課題を発見することを目指す。2年次は、知識を基に行動を起こすため、他者との討論と研究テーマの考察を行う。3年次は、国内外のフィールドワークやインターンシップを通じて個人の探究活動をさらに深め、専門家の支援の下に論文作成や大学等での研究発表を行うとともに、1・2年次にチューター的立場で助言を与える。
他に、市内大学と連携した「ESD day」やユネスコスクールとしての「グローカルシチズンシップ(GS)キャンプ」、大学や企業と連携した「イーストタイムプレミアムプログラム」、未来技術推進協会の「SDGsカードゲーム研修」、1・2年次全員参加の討論イベント「HUG(ハグ)(Higashi Meeting on Unesco School for Global Citizenship)」なども用意している。
希望者には放課後の活動として「Higashi “Glocal@Y(グローカリー)”」と呼ぶワークショップやフィールドワーク、ボランティアなどを実施。部活動「サステイナブル研究部」(サス研)でも、ごみ拾いやボランティア活動、カナダ発祥のいじめ反対運動「ピンクシャツデー」などに取り組んでおり、21年2月の「バーチャルアースフェス」(一般社団法人関内活性会主催、横浜市など後援)の実行委員会にも加わった。
渡辺敦司(教育ジャーナリスト)