Program西高発 COOL JAPAN!
高松西高校は、世界に誇る松盆栽、遍路道、美しい里山などの地域遺産が豊富な地にある普通科の進学校である。本校の1・2年生は「総合的な探究の時間」の中で、地域の自治体、企業、大学等の支援の下、協働的な取り組みを通して、地域の魅力や課題を探究し発表する活動を行っている。
また、本年度より地域の魅力と課題をSDGsの視点で捉え直し、より良い世界の実現を目指して発言し、行動を起こすことのできる「発信力」と「自走力」を備えた人材の育成を目指して、探究活動をさらに深化させる。
生徒の自主性を育て視野を広げることを目指す、希望者対象の「オプション・プログラム」では、海外の高校生とのZoomやSNS、文通やお土産交換を通しての交流や校内での英語研修をはじめとする多様なチャレンジの機会を提供し、生徒のやる気に火を付ける仕掛けを行っている。
上記の取り組みに加えて、本年度は、SDGsを学ぶ機会としてのインドネシア・バリ島への海外研修と、日本の魅力を深く学ぶための国内研修旅行を企画している。
活動レポートReport
興味や進路の多様化に伴い 学びの機会もチョイス
高松西高等学校の探究活動は二本立て。週1時間の授業内で行われる「総合的な探究の時間」は「MDP」(マイ・ドリーム・プロジェクト)という名称で、地域課題の解決や魅力発信を、SDGsを基礎としたグローバルな視点で行うことを目標としている。もうひとつは、国内外の研修旅行や海外の高校とのオンライン交流など、希望者を対象とした「OP」(オプション・プログラム)。生徒の興味や進路に応じた多様な学びの機会を、外部の団体や企業主催の既存プログラムからも用意している。
「高校である以上、進学に関する教養取得は当然ですが、個々の夢を実現するためのキャリアアップも重要。活用してほしい研修やプログラムを、スタッフも含めて外部から協力を求めることで、生徒の選択の幅を広げながら、教員の負担軽減も図っています」と槌谷昌晃校長は語る。
同校における探究活動は入学後間もなく、学校の所在地である鬼無町の地域遺産を、地元の方々をガイドに訪ね歩くことから始まる。その後テーマを広げ、グループ単位の活動などを進めていく中で、2年生からの活動の基礎づくりを行っていく。
2年生からは、「ものづくり工学」「自然科学・防災減災」「国際理解」など8~9のコースに分け、その中でそれぞれがテーマを絞った探究活動をスタート。昨年度までは2~4人のグループ活動が主だったが、今年度からは生徒の興味や進路の多様化に対応して、原則的に個人単位での活動となった。それに伴い、昨年度まで10名程度の教員が担当していた2年次のMDPを教職員全員で分担、校外の幅広い人材の協力をより活用する体制づくりも進めている。
また、今年度からの重点課題として、理系的課題を探究する生徒への支援拡充がある。大学の研究室訪問や企業での実験観察など、OPで体験を中心とした研修旅行を計画するほか、MDPでも地域の企業や大学との連携を強化していく予定だ。
「マイプロジェクト・アワード」「高校生ビジネスプラン・グランプリ」など学外の発表会への参加も、学校として積極的に後押ししている。発表会に参加することで、関連企業や団体、大学、地域から助言やサポートが受けられるからだ。
これまでの探究活動によって得たノウハウと地域の方々とのつながりを土台として、世界を視野に探究活動を深化させ、積極的に外部へ発信していく。これが探究活動における同校の目下の目標である。