Program春日からHasshin(発信×発進)プロジェクト
~グローバル&グローカル人材の育成~
春日市や近隣の大学・企業等との包括的な連携を行い、総合的な探究の時間等の取り組みを軸とした「課題解決に向けて主体的に取り組むことができる」人材育成のための教育プログラムである。
本プログラムでは、SDGsを中心にした探究活動において、地域の問題の課題に目を向け、これらの活動のうち、特に興味関心の醸成や課題設定等の段階から、より明確なビジョンを描けるよう外部機関と強い協力関係を結び、協働的に課題解決に当たるよう推奨していく。
この取り組みを通じ、生徒の心に火を付け、本校の校訓である「自主・創造」の精神の下、生徒自らが主体で発進し、“発信”していくことで心を駆動させるプロクラムとする。また、その生徒の学びを積極的に地域社会に還元することも狙いとする。
最終的には、地域のために地域と共に実践できる人材と世界規模で考え世界のために貢献できる人材の育成に資することができることを願うものである。
活動レポートReport
市、大学、同窓生などとの連携で 地域・世界で活躍する人材を
春日高校では「総合的な探究の時間」を「Kプロ」と呼んでいる。正式な名称は、「KH(春日からHassin)プロジェクト」。これには生徒が春日市から地域に、そして世界にHassin(発信×発進)できる人材に育ってほしいという意味が込められている。1・2年生は春日市の地域探究およびSDGsを中心とした探究活動を実践し、3年生は、その活動を基に希望進路の決定を目指す。
春日高校は、春日市内の唯一の県立高校。文武両道で名を馳せ、春日市とは市内小中学生への学習支援などにおいて、これまでも連携・協力してきたが、2020年、春日市との「包括的連携協定」締結をきっかけに、市の主催事業や地区行事などへの参加、校外学習活動における市役所活用など、より広範な分野で連携が行われるようになった。そうした連携事業の一例として、一昨年度の1年生が取り組んだ「地域探究:春日市魅力度アップマップ」がある。春日市職員による「出前講義」を受講した生徒たちが「高齢者支援」「地域コミュニティ」「ごみ削減」など10のテーマに分かれて課題を研究し、ポスターセッションを実施。春日市への魅力向上の提言として、昨年4~5月に市役所に展示された。
出前講義に関しては、昨年10月には2年生を対象に、九州大学や福岡大学など九つの大学から専門分野の講師を招き、実際に各大学で研究されている内容の15講座が「大学出前講義」として開講され、生徒たちはそれぞれ希望する講義を受講した。また、1年生には、福岡SDGs協会代表理事を講師とした「SDGs出前講義」が行われ、SDGsが必要となった社会背景や、高校生が学ぶ意義などについて学んだ。
他にも同窓会の協力を得て、各方面で活躍する同窓生を講師として招き、さまざまな職種の立場から21のテーマで「社会人講演会」を開講。生徒たちは希望する講座に分かれ、社会で働くことの意義や心構えなどを学んでいる。逆に、希望者を募って、東京での企業訪間や大学訪問プログラムも、同窓生の協力の下に実施されている。
隣接する九州大学大学院とも、「Kプロ」校内最終発表の際には、教授を招いて講評を受けるなどの連携がされているが、「さらに連携を深められれば、探究活動がより充実すると思います。大学院生との交流や生徒を連れて行って、直接講義を聞けるような機会もつくりたいですね」と、ガイダンス部キャリア課課長の尾上先生は語る。