ProgramSGS未来創生「大空プロジェクト」
Society5.0時代の到来に向け、SDGs、地方創生および感染症対策等の予測や解決が困難な課題にグローバルな視点を持ち、果敢に挑戦できる「未来創生者」の育成を図っていく。
特徴
・STEAM教育等の探究型学習により、主体的・協働的な学びのリーダーを育成
・ケーススタディー等により、未来に貢献する意識や新たな価値を創造するスキルを育成
・論理的思考力やデータ分析力の未来社会に求められる「高いリテラシー」を育成(大学、企業、県研究所、国連機関等から専門的な指導者を招聘したセミナー)
・136年の歴史を強みに同窓会との連携を強化することで持続可能システムを構築
※年間8回の特別メニューを実施。1・2年全員対象のサイエンス・グローバル講演会、 希望者対象のデータサイエンスセミナー、OBとの交流会、ANAとの連携講座、県内企業研修
※「本物との出会い」を通し「将来、イノベーション創出人材になりたい」と思うような感動体験プロジェクトを、大学・企業・同窓会等と一体となって推進
※SGS:スーパー・グローバル・スタディー
※「大空」:前身の大分中學校・現校歌から
活動レポートReport
卒業生との関係強化で 未来に羽ばたくリーダーを育成
大分上野丘高校では2018年までの5年間に取り組んでいたSGHの成果を、GS(グローバル・スタディ)と名称を変え課題研究として全学年で実施している。1年次はSDGsを切り口に大分の探究活動、2年次は人文学・経済学・工学など12学問に分かれ、SDGsをテーマに課題解決に取り組み、3年生は自己のキャリアに関わる英語論文の作成までを目指している。
このGSのスペシャルメニューとして2021年度からスタートしたのが、SGS(スーパー・グローバル・スタディ)、新旧校歌の「大空高く」「羽ばたき」に係る通称「大空プロジェクト」だ。STEAM教育も視野に入れ、「本物との出会い」「高いリテラシーの向上」「主体性・協働性の育成」「持続可能なリーダー育成カリキュラムの開発」の柱を立てて、一年を通じて講座や講演会、研修を実施。担当の吉藤徹先生は「昨年度はドローン性能評価において世界最先端の研究を行っている県産業科学技術センターや、最新技術の導入で自動化に成功している菊の大規模農園で研修を行いました。多くの生徒から地元への見方が変わり、大分県でのキャリア形成も考えたいという声が出て、地方創生の点でも大きな成果になりました」と話す。魅力ある外部の世界に触れたことで、県主催のセミナーなど校外活動への参加率も伸び、学びに対する積極性が上がったことも実感したという。
また同校は137年と大分県で最も歴史が長く、5万人もの卒業生の中には各界の第一線で活躍している方々が数多くいる。卒業生との確固たるネットワークの構築も今回の狙いでもあり、多くの研修でOBとのつながりができた。3月には新3年生を対象にハーバード大学へ進学した卒業生の講演会や東京大学の学生とのグループセッション等の宿泊研修を実施。刺激を受けた生徒たちのその後の学習意欲の高まりに担任の先生たちも驚いたという。今年の夏休みには東京在住の卒業生のつながりで、研究所や官公庁、企業での研修を予定している。姫野秀樹校長は、「同窓会からは『今年の大空はどう?』と話題が出るほど高い関心があり、助成金も出していただいています。将来、各界のリーダーとなる生徒のためにも、また研修を財団助成後に自走させていくためにも卒業生との連携は不可欠」と話す。生徒だけでなく、学校側にとっても大きな成果を得た「大空プロジェクト」。同校ならではの強みを生かし、まさに大空に向けた今後の大きな飛躍が期待される。