ProgramBe a Glocal Citizen! 探究から実践へ
~地域・世界に貢献する人材の育成を目指す~
本校の育成すべき生徒像を「Neo MAKS 12の力」とし、生徒が多角的な視野を持ち、主体的・協働的な学習に取り組みながら探究活動を進めるために、①「カリキュラム開発」、②「学びのネットワークの構築」、③「協働グローバル創造活動」の3本柱を連携させながら生徒の探究活動を発展させる仕組みを設定する。
1.カリキュラム開発
国際科の学校設定教科「国際」(国際的課題に取り組み、解決に向けて深く研究するグローバルスタディーズ4科目)と普通科の学校設定教科「学際」(社会課題を多角的にまた教科横断的に研究し、協働的な取り組みを行う文理融合教科3科目)を基盤とする9科目の「カリキュラム開発」を進める。
2.学びのネットワーク
国内外の大学、国際機関、地方自治体、企業、NPO等の専門家に講演や助言を依頼し、社会に開かれた学びを継続させる。得た知識や技能を基に企業や行政との意見交換を行い、例えば高齢者支援、ヤングケアラーの啓発動画作成など地域に貢献できる活動を展開していく。
3.協働グローバル創造活動
対面とオンラインを合わせたハイブリッド型課題研究交流発表会や高校生国際会議を本校で主催し、他校の高校生や海外の姉妹校等の生徒と意見交換をする機会を持つ。また、国内外で実践してきた協働活動を持続可能なものとするとともに、探究を地域社会貢献活動や国際貢献活動に広げていくことを目指す。
活動レポートReport
多角的な視野と、主体的な学習による探究活動
神戸市立葺ふきあい合高等学校は、国際都市神戸にあって80年以上の歴史を誇る、国際色豊かな校風の公立高校。普通科と国際科からなり、両科共にグローバル人材育成を意識したカリキュラムを特徴としている。過去8年間にわたるSGHやWWLの指定事業の中で取り組んできた「探究活動に関わるカリキュラム開発」「学びのネットワークの構築」「協働グローバル創造活動」という3本柱の活動を、さらに継続し発展させるために、大学や国際機関、自治体等の支援を得ながら、国内外の高校生との協働も継続的に行っている。
カリキュラム開発としては、国際的課題に取り組み、解決に向けて深く研究する国際科の「グローバルスタディーズ(4科目)」、社会課題を多角的、教科横断的に研究し、協働的に取り組む普通科の「学際(国語・リサーチ・フードデザイン)」を基盤に、オリジナリティあふれた学校設定科目を開発し、内容を更新し続けている。
SGH・WWLによって培われた幅広いネットワークを活用し、さまざまな機関への講演依頼や課題研究に対する講評や助言をお願いすることも多い。また、学校同士の連携も発展し続け、2022年度からは、神戸市教育委員会主催の「KOBE AL(アドバンスト・ラーニング)ネットワーク事業」で、神戸市立高等学校8校の連携を進め、学校の枠を超えた活動を展開して、これまでの探究活動によって築かれたネットワークによる「課題研究交流発表会」、「高校生国際会議」、「探究フォーラム」を同校主催で開催。発表だけでなく、運営についても生徒たちが主体的に行っている。
同校の探究活動は、成果発表で終わることなく、地域社会や国際的な貢献活動へと広げ、具体的な協働活動に結び付けようとしていることが特徴。それを象徴する事例として、生徒が作成した「ヤングケアラー啓発動画」がある。KOBE ALネットワークの協同実施校と共同作成し、神戸市の公式HPにも掲載され広く活用されている。また、高校生の運営による「現代版寺子屋」もある。市内の寺院で行われる小・中学生向け無料勉強会。子どもたちの新たな居場所としても注目を集めている。学校主体の活動ではなく、生徒の個人的活動から友人や近隣校の生徒へと広がった例だが、こうした活動が自発的に生まれ育つことこそ、同校の探究活動が次のフェーズへと進んでいる証しであると感じられる。