Program公孫樹プログラム
生徒が教科学習などで学んだ多岐にわたる知識や技能を、このプログラムを幹として融合し、探究力を育む。校木である公孫樹(こうそんじゅ・イチョウの別名)が、やがて葉を美しい黄色に変化させ実を結ぶように、生徒一人ひとりが自分自身と社会を見つめ、知識を活用し、未来を切り開く力を手にすることを目指す。公孫樹の葉の大きく羽ばたくようなフォルムには、 主体的に生きる生徒の未来を託している。
1年生の「地域課題研究」は、地域が抱えるさまざまな課題を、「太白区まちづくり推進室」との連携の下、各団体代表者と共にフィールドワークなどを行い解決するプログラムを通して、思考力や表現力を育成していく。
2年生では「課題研究」を行い、自分自身が研究したい事柄についてテーマを設定し、仮説、検証を進めていくプログラム。 学都仙台の利点を活かし、各学術施設などを活用して進めていくことが特徴になっている。
活動レポートReport
地域課題を基にスキル身に付け
公孫樹は仙台南高校の校木で、校章にも公孫樹の葉がデザインされている。扇形をした1枚の葉の扇面に各教科、茎につながる部分に特別活動があり、葉身に当たる総合的な探究の時間=公孫樹プロジェクトで横断的・総合的な取り組みを行い、自ら立てた課題を解決するために各教科で学んだことを生かすイメージだ。
キャリア教育と課題研究の2本柱で、自己の在り方生き方と一体的で不可分な、課題を自ら発見し解決する力を養おうとしている。
同校は仙台市の副都心エリアと旧奥州街道沿いの商店街エリアという新旧の歴史が混在する地域に位置し、市内には東北大学をはじめ高等教育機関や文化施設も充実している。1年生では、仙台市太白区まちづくり推進部と連携。商店街連合会やJR東日本など10団体の協力を得て、それぞれの課題を提示してもらい、解決策を考える「地域課題解決プログラム」に取り組む。
そこで身に付けた課題解決スキルを基に、2年生では、高大連携を中心としたフィールドワークで自らの興味・関心を探究する「ジブンゴト化した課題研究」を行う。
3年生では、課題研究内容を小論文にまとめるとともに、SDGsを基盤として自分の興味・関心や生き方を考えることが地球上の誰の幸せにつながることを考えて「私が進む道」を制作し、発表する。
評価方法として、▽思考力▽創造性・独創性▽探究力▽表現力——の別にルーブリックも作成している。
最近では、課題研究を行っていることを進学理由の一つに挙げる生徒もいる。
渡辺敦司(教育ジャーナリスト)