カテゴリー 12023年採択

福島県立白河旭高等学校

対象者数 320名 | 助成額 197万円

https://shirakawaasahi-h.fcs.ed.jp/

Program白河旭校生が年間500の地域貢献を生み出すプログラム
~生徒が地域貢献を通して学びを深め、社会人として将来どうありたいのかを考える~

 本校は「社会に貢献できる高い志を持った生徒の育成」を学校目標にし、「貢献」をテーマとした探究を行っている。

 本プログラムは、「生徒が地域貢献を通して学びを深め、社会人として将来どうありたいのかを考える」ことを目標にしている。生徒は「やりたいこと」、「出来ること」、「社会のニーズ」と組み合わせた「貢献の種」を見つけ、それを元に地域貢献を行う。活動後は振り返りを行い、学びの整理と評価をすることで、生徒は自己肯定感を育み、社会の仕組みを理解し、将来の自分の生き方や社会との関わり方を見つけていく。

① 「やりたいこと」、「出来ること」、「社会のニーズ」を組み合わせた「貢献の種(アイデア)」を見つけチャレンジする。500の地域貢献、一人1貢献以上を目指す。

② 振り返りを行い、気づいたことの整理や貢献の価値づけを行う。

③ 成功体験から自分の関心を深め、「自分がやりたいこと」、「出来ること」が増える。

④ 次の貢献の種を見つける。

この流れを繰り返すことで生徒の心のエンジンが駆動し、将来的に社会でどうありたいのかを考えることに繋がる。

「貢献」をテーマにしたプログラムの目標達成を目指しながら、生徒の学びを深めるために、実践的な地域貢献を通じて、持続的かつ弾力的な地域との連携の体制を作っていく。

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活動レポートReport

コーディネーター派遣で地域の人材をリスト化

 1914(大正3)年創立の白河町立実科高等女学校を前身とする県立白河女子高校が97(平成9)年に共学化して校名変更したのが、白河旭高校。今も女子が6割を占め、新入生歓迎ダンスパーティーなどに女子校時代の名残がある。ボランティア活動も盛んで、地域行事などにも積極的に参加。県南地区の進学指導重点校として地域の期待も大きい。

 20年度からスクール・ミッションの一つに「社会に貢献できる高い志を持った人材を育成する学校」を位置付けているものの、「控えめでおとなしい」(鈴木和也教務部副主任)生徒には物足りなさを感じることもあるという。

 そうした中、県教委から2022年度に「コミュニケーション能力育成事業(哲学対話によるコミュニケーション教育の実践)」(3年間)指定を受けたことをきっかけとして校内に探究プロジェクトチームを設置し、全教員が所属。同年度「ふくしま創生人財育成事業」、23年度「ふくしまを創る若者のプラットフォーム構築事業」地域ネットワーク推進委員拠点校として一般社団法人Bridge For Fukushima(福島市)から派遣された地域コーディネーターを加え、「地域貢献を通して学びを深め、社会人として将来どうありたいのかを考える」を目標にしたプログラムを開始した。三菱みらい育成財団の助成を受けることにより、コーディネーターの活動を上乗せすることもできた。

 具体的には、同窓会や商工会、白河市役所などを中心に、生徒の伴走をしてもらう地域の50人以上をリスト化。そのうち32人を招いて毎秋「地域のフロントランナーと話をしよう!」と銘打って、1年生が体育館で講師を囲んで「貢献」をテーマに対話を実施。同時に地元で気になったことについて調べ、リポートにまとめる。

 2年生は「探究進路講話」として、思考力・判断力・表現力等のベースとなるインプットを実施。こうした活動で、2学年を通して「結果として年間500の地域貢献として還元」(申請書)することを目指している。

 この他、▽教員と地域との意見交換会▽外部講師による教員への探究スキルアップ研修▽授業内容を教員間で次学年に引き継ぎを行う「TOTトレーニング」(Training of Trainers)▽探究の先進地での教員研修▽探究授業の目的や進め方、ツールについてのマニュアル作成――なども実施する。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

2月27日に行われた1年生のリポート提出とグループ発表。いずれも1人1台端末によるオンライン経由で処理している。

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