カテゴリー 12023年採択

西大和学園高等学校

対象者数 150名 | 助成額 190万円

https://www.nishiyamato.ed.jp/

ProgramAction Innovation Program(AIP)

 本プログラムは、Entrepreneurship教育に主眼を置き、「自分で自分の人生を切り拓く力の育成」をテーマに活動を行う。学校や企業・自治体等とのパートナーシップを構築し、実際に「やってみる、動いてみる、社会とつながる」という机上の学びに留まらない原体験を通して、心のエンジンを駆動させていく。本プログラムは、以下の3本柱で構成される。

①学校認定単位AIP

「既存の価値観や概念を超えていくイノベーション創発人材の育成」

 各種ワークショップや講演会等を通してビジネスの基礎を確立する。実際にアイディアの具現化(プロトタイプの作成)や企業インターンシップ・PBL型学習を通して、失敗を恐れず、0から1を生み出していくマインドセットを体得する。

②AIセミナー(トップランナー講義)

「本物にふれる」

  各業界のトップランナーの方をお招きし、全校生徒を対象に講演をいただく。講演者の生き様や考え方に触れ、かつて経験をしたことのない強烈な刺激を受けることを目的とする。

③次世代リーダー養成プログラム

「世界最前線へ飛び込む」

  海外での実地体験に留まらず、その後の社会実装も行う仮説検証型ツアーや、世界の優秀な学生とプロジェクトを共にするSTEAM教育プログラムを提供する。

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生徒も教員にも求められるイノベーション能力

 奈良県内で有数の進学校として知られる西大和学園高等学校では、「世界を舞台に活躍するグローバルビジネスリーダー」の育成を目的に、2019年度からAIPという学校認定単位の授業を土曜日14~17時に実施している。その内容を2023年度に一新したと、AIPを主導する冨高雄介先生は話す。「これまではビジネスコンテスト等で優秀な実績を残しても、机上の空論で終わることが多かったので、23年度はやってみる・つくってみるをキーワードとして、生徒たちが明確なアクションを起こすことに重点を置きました」。まずは生徒のビジネスプランが固まってきた後は、外部講師からの全体レクチャーの時間を約30分に短縮し、残りは1on1で生徒の企画案の壁打ちをしてもらっている。「1on1だからこそ生徒のプランも熟成してきて、本当にやりたいこと、しなければいけないことが見えてくる。外部の方2名に専任という形でほぼ毎週来ていただき、1on1で次回までの目標を設定して、検証し、また目標設定する。この繰り返しで、ほとんどの生徒が実際動いてみた結果の検証までたどり着くことができました」。24年1月の発表会では、企業とのコラボイベントの開催や有給インターンシップの実現など、実際に自分たちが動いたプロセスや結果、今後の展望について、2年生から生き生きとした発表があった。それに対して多様な分野の専門家が審査員として評価やアドバイスを行い、双方向のやり取りが見られた。

 その姿を見守る先生方にも変化があった。AIPの運営体制を変え、年度初めに冨高先生が教員に向けてプレゼンをして担当者を募り、現在20人の教員が関わっている。「生徒たちが将来的に起業したいと相談をしてきた時に先生方がアドバイスできないなら、これからの進路指導としては不十分でしょう。外部の方々のやりとりを逐一見て、自分のものにしてくださいと先生方に話しました」。そして何よりも重要なのは、「人脈」だと話す。「AIPを担当するようになって、各業界の第一線で活躍する方々と知り合うことができました。生徒たちには『人脈を持っている人は強い』という話をしますが、教員にとっても同じだと思っています」(冨高先生)。

 2024年度は企業や自治体と共にPBLを実施できるよう、各方面と調整中だ。イノベーションを起こす生徒たちにベストな環境を整えていくには、先生方にもイノベーションの能力が求められている。

2年生の式井友哉さんと峯野斗翔さんら4人グループは、ジュンク堂梅田店とコラボし、「書籍探検!西大和学園生の選ぶベストブック!」フェスを開催、一日店員としても活動した。

今後の展望として、「本との偶然の出会いができるアプリ開発も進めていきたい」と意気込みを見せる。

2024年1月に行われたAIPの発表会。当日は、同校の高校1年生と中学3年生、保護者も参加。開催に先立ち、冨高先生がAIPの内容と成果について報告した。

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