カテゴリー 12020年採択

高崎市立高崎経済大学附属高等学校

対象者数 840名 | 助成額 200万円

http://www.tcue-h.ed.jp/

ProgramTSUBASAプロジェクト
~高崎市と世界をつなぎ、地域に貢献できる人材の育成~

 「高崎市と世界をつなぎ、地域に貢献できる人材の育成」を目的とし、卒業までに以下の七つの能力を習得させることを目標としている。

1.前に踏み出す力

2.考え抜く力

3.チームで働く力

4.コミュニケーション能力

5.リテラシー(読む・書く・聴く・調べる)

6.ツールとしての英語力

7.異文化に対する理解力

 この目的・目標を達成するために、大学・企業・行政・NPO等の外部機関と連携した「体験的・探究的な学習」や「海外研修・国際交流事業(2020年度はリモートでの実施を計画中)」を行う。

 例えば、高崎経済大学と連携した「高大コラボゼミ」では、大学生と高校生とが協働して企業経営について探究する。この活動では文献研究の他、対象企業へのインタビュー調査を行う(2018年:三菱商事、2015年三菱重工業等)。

 また、これらの活動について成果発表会を実施し、自らの考えを深め、表現するとともに、成果を他者と共有する機会を設ける。

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高大連携で地域貢献人材を育成

 35人学級で、各学年普通科8クラスのうち1クラスを芸術コース(音楽系、美術系)として別枠募集する一方、残り7クラスのうち2クラスは、入学後に希望を取って「文系オナークラス」「理系オナークラス」に充てている。オナークラスは、他の5クラスと教育課程は同じで、プラスアルファとして体験学習や探究学習を行う。毎年入れ替えがあるが、3年間続ける生徒も少なくない。

 14~18年度には、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定を受けた。TSUBASAプロジェクトはその後継事業として、総合的な探究の視点を取り入れて発展させたもので、文科省「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」のアソシエイト指定を受けている。①文系オナークラス②理系オナークラス③総合的な探究の時間(全クラス)④国際理解教育――を柱として、卒業までに▽前に踏み出す力▽考え抜く力▽チームで働く力▽コミュニケーション能力(ディベート、プレゼンテーション、スピーチ、ディスカッション)▽リテラシー(読む、書く、聴く、調べる)▽ツールとしての英語力▽異文化に対する理解力――の七つの能力を習得させることを目指している。

 文系オナークラスでは例年、1年次に「熱血!高校生販売甲子園」に参加するとともに、市内の企業訪問を行う。2年次には、高経大の阿部圭司ゼミの学生とグループを組んで「日経STOCKリーグ」に参加。3年次は、矢野修一ゼミと「円ダービー」に参加するとともに、日本企業の海外戦略に関する探究活動を実施する。一方、理系オナークラスでは例年、1年次に足利大学と連携した自然エネルギー実習や天体観測実習、2年次に環境学習、3年次は福島県での被災地研修を行う。いずれも20年度は変更やリモート実施を余儀なくされたが、「逆に生徒同士の学び合いができました」と地域連携推進部長の武井純子教諭は振り返る。

 総合的な探究の時間は、市内のNPO法人Design Net-works Association(DNA)と連携し、生徒一人ひとりがアポを取り、高崎にある仕事や職業がどう世界と接点を持ちながら展開しているかを学ぶ。高経大を経て訪問先だった企業に就職するケースもあり、「地元に貢献できる人材を輩出できてきた」(武井教諭)との手応えもある。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

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