カテゴリー 12020年採択

国立高等専門学校機構 福井工業高等専門学校

対象者数 600名 | 助成額 200万円

https://www.fukui-nct.ac.jp/

Program創造プロジェクト教育による研究者・エンジニアへのステップフォワード

 本校は機械工学科(M科)、電気電子工学科(E科)、電子情報工学科(EI科)、物質工学科(C科)、環境都市工学科(B科)の5学科から構成される工業高等専門学校である。3年生において実施する各科のもの創り実験では、原理を理解し、手技を身に付けることを主眼として行っている。しかし、本課題は、この実験履修過程において、一歩踏み込み、「発想法→学生自身によるテーマ設定→問題発見→問題設定→解決案→プレゼンテーション→振り返り」という発散⇔収斂を繰り返すプロセスを導入することで、学生の創造性・探究心やプロジェクト能力を養うことを目的とする。原理や手技など基本的なことと、創造性を育むPBLやプロジェクト演習を両立させ、創造性豊かな研究者、エンジニアの育成の一端を担う。

 機械工学科では、自作モーター駆動回路・センサー・機構から成る作品を製作し、機械・電気・情報の融合の認識を醸成する。さらに、旺盛な学生を対象にLinux搭載ロボットを活用する授業外活動を設け、C言語応用でサッカーロボットのプログラムを製作して試合形式で評価するという実習を行う。また、メカトロニクス実習は、「モータードライブ回路および機構の製作と、それらを組み合わせた作品製作」を行っている。

 電気電子工学科では、電子創造工学において、自らのアイデアを基に、指定されたコースを走行することが可能なマイコン制御のライントレースマシンの設計・製作・改善の一連のもの創りのプロセスを学生自ら考案し、実施する。

 電子情報工学科では、学んできたプログラミングの知識を活かし、電子情報工学実験Ⅱで組み込み系プログラムを経験する。 Arduinoを用いた組み込み系プログラミングを基礎にワンチップマイコンによるライントレース、主に、デジタルI/O、A/Dコンバーター、シリアル通信、タイマー割り込みなどArduinoを用いた組み込み系プログラミングを導入する。物質工学科では、微生物実験の中で、学生思い思いの場所から土壌や水などの試料を採取し、細菌を単離後、16s-rRNAをコードするDNAの塩基配列により同定する。単離した菌は、教員や学生が予想だにしなかった種が発見される。

 環境都市工学実験実習Ⅱにおいて、構造力学・橋工学実験(ブリッジコンテスト)をもの創り実習として組み込んでいる。長さ600mm、幅80mm、厚さ4mmのバルサ板1枚と木工用ボンドだけを用いて、支間長500mmの橋模型を作製し、その強度と美しさをクラスメイトと競い合う。

 実際に学生が作製したプログラミングで、マシンが動くという、初めての「自分で創れた」、学生自ら「発見」「挑戦」を体験することで、「自信」「意欲」を育み、エンジニアへの第一歩になると確信している。学生の好奇心や意欲を満たし、最大限、可能性を広げるよう努める。

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