カテゴリー 12020年採択

徳島県立池田高等学校

対象者数 483名 | 助成額 200万円

http://ikeda-hs.tokushima-ec.ed.jp/

Program対話による阿波池田シビックプライド探究プロジェクト

 にし阿波の持つ素晴らしい自然や歴史、文化を踏まえつつ、地域住民との対話や協働の試行を重ね、新たなシビックプライドの醸成に挑戦するプログラム。このプログラムによって、高齢社会の課題先進地域であるにし阿波において、将来を担う人材に成長することを期待している。

 具体的には、さまざまな人との対話によって地域における課題を見いだし、協働して課題を追究し、解決に向けて取り組んでいく。成果については発表会を開催し、その内容に関するワークショップを行うことで、課題のさらなるブラッシュアップを図っていく。また、地元の関連団体との連携を強化し、まちづくり等に成果が活用されること、また三好市に隣接する四国内他県で同様の課題を持つ地域の高等学校等とも合同で探究活動や勉強会を行い、成果の共有を目指していく。

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中山間地の利点を生かして

  池田高校は1922(大正2)年、県下5番目の旧制中学として創立され、かつては春夏の甲子園優勝3回の強豪校として全国に知られた。学校のある三好市は県最西部に位置するが、中山間地の多い四国の中でも交通の要衝にあり、他3県の高校とも交流を行ってきた。2012年度からは普通科に加え、探究科(理数科)を設置している(本校のみ、他に分校2校)。

 探究科では「地域に目を向け、課題解決することを通して、三好市を発展させる生徒を育てよう」(探究科長の田島幹大教諭)としている。三好市は高齢化率が50%を超え、人口減少に悩む一方、吉野川の大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)をはじめ観光資源に恵まれている。早稲田大学や立教大学などがフィールドワーク先としているのも強みだ。
 プロジェクトは▽哲学対話や批判的読書会、県外高校生や大学生との勉強会など「探究入門プログラム」▽地域住民との対話に重点を置いたフィールドワークや大学生との合同ワークショップなど「探究展開プログラム」▽研究成果を発表し、地域住民と話し合う「探究発展プログラム」――で構成。自由な発想で探究した成果が、まちづくりなどに活用されることを目指す。

 「池田高と言えば探究」(探究活動推進担当主任の辻岡みどり教諭)が認知されてきたことから、普通科でも「総合的な探究の時間」への移行を契機に、市役所や徳島大学などの協力を得て、同様の取り組みを行っている。
 コロナ禍にあっても、3月には「第1回四国高校生探究活動発表会(四国まんなか高校生探究活動サミット)」を開催し、4県の高校生約40人がオンラインで参加した。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

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