カテゴリー 12020年採択

福岡県立修猷館高等学校

対象者数 840名 | 助成額 200万円

http://shuyu.fku.ed.jp/Default2.aspx

ProgramSure You Can プロジェクト

 年間8回程度、土曜日に学校外から講師を招き、講義・ディスカッション・ワークショップといった双方向的な学びの場を設け、生徒の知的好奇心を刺激し、自らの未来のみならず、世界の未来を考察し行動を起こす契機とする。今、人々の営みは大きな転換点を迎えつつある。予測が難しい未来に向けて、果敢に挑戦を続けるには何が必要か、それをこのプロジェクトから学び取り、行動する人材を育む。

 そのため、

1.経済・環境・科学・芸術・スポーツ科学等の分野から第一線で挑戦を続ける方々を招聘する

2.講師自身の失敗と試行錯誤を現在進行形で聴くことで、唯一解が存在しない未来をより身近に感じさせる

3.一方向の講義ではなく、 実践・ワークショップ・協議等の双方向的で協働的な活動を目指し、心のエンジンにダイレクトに働き掛ける

4.「生徒企画」も取り入れ、生徒たち自身が講師を探し依頼する。社会勉強であり、またワクワク感を大事にしようとするプランである

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歴史と伝統を受け継ぐ企画

  全国屈指の進学校であるだけでなく、1784年の藩校開館から230年以上の歴史を持つ修猷館高校は、「世のため人のため」の精神を受け継いでいる。そうした伝統の延長線として20年度、校名になぞらえた新たなプロジェクトを打ち出した。 
 年8回、土曜日(教育課程外)に、さまざまな専門分野の第一線で挑戦を続ける講師を招いたり、現地で作業に参加したりする。講義やディスカッション、ワークショップといった双方向的な学びの場を設けることで、生徒の知的好奇心を刺激し、自らの未来のみならず、世界の未来を考察し、行動を起こす契機とすることを目的とする。

 各回とも第1・2学年の希望者30人程度を対象とし、興味・関心に応じて自由に選択できるようにした。
 「SDGsの観点から~合鴨農法から考える未来」(環境)、「流通革命に挑む~AIとの共存」(経済)、「私はアスリート」(スポーツ科学)など多彩な講演を用意、実施したが、コロナ禍の影響で8月からスタートしたこともあり、第6回以降は中止または21年度に延期せざるを得なかった。
 第7回(5月に延期予定)は「生徒企画」として、生徒にテーマ企画から講師選定、招待までを任せる。最後の第8回(中止)は「総括」として、修猷館の記章である六光星にちなんで八女市の「星野村」に1泊2日で出向き、同高に受け継がれる「語りの文化」を引き継いで、満天の星を無心に眺めて思いを語り合う――というロマンチックな企画になるはずだった。

 それでも参加した生徒は、授業や学校行事等の場面で、このプロジェクトの中で学んだことや感じたことを発表するなど、積極的に発信しようとする姿勢がみられたという。第1学年の学年主任だった清水嘉隆教諭は「有意義な濃い時間を過ごすことができた」と振り返り、生徒部長の糸山武彦主幹教諭は、進行中の生徒企画で着々とリーダーシップを発揮している生徒たちの姿に目を細める。
 21年度は、プログラムの一部をホームルーム活動に組み込むことにしている。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

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