カテゴリー 12020年採択

長崎県立諫早高等学校

対象者数 835名 | 助成額 200万円

http://www.news.ed.jp/isahaya-h/

Program「自立し未来を創造する人財育成」
諫早から世界へ、世界から諫早へ

 「自立創造」の校訓の下、自ら人生を切り開き、高い志を持ち未来を創造する人財の育成を目指す。社会問題等の解決を目標にした課題研究を中心に、さまざまな取り組みを組み合わせていく。

 その中で地域(諫早)・日本・世界に目を向けさせることで、学びに向かう力・人間性の涵(かんよう)、知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成を図り、生きる力を育てていく。そして、高い志を持ち、社会変革を目指す人財を育成していく。

1.課題研究に連携している行事等

 ・講演会(1学年) 
  諫早を知る講演会/課題研究のテーマ設定の講演会

 ・未来人財セミナー(企業説明会)(1学年)

 ・企業訪問・研究室訪問(2学年)

 ・課題研究テーマ研究会(外部講師によるアドバイスや評価)

2.生徒が企画・立案する取り組み

 ・グローバル講演会(国際的に活躍している講師)(全校生徒向け)

 ・文化祭での市内企業の出店

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活動レポートReport

他の活動と連携し生徒主体に

  1911(明治44)年創立の旧制高等女学校などを戦後に統合した伝統校で、11年度からは附属中学校を併設。校訓「自立創造」、校是「文武両道」の下、「大変だけど楽しい」「真面目に頑張る人を応援する」(ホームページ)学校として、さまざまな教育活動を展開してきた。

 プログラムの中心となる課題研究は、学習指導要領の改訂をにらんで18年度から取り組んできたものだが、連携する講演会や行事等は、以前から行ってきた活動だ。それらが「うまくはまりました」と、教務主任の後田康蔵教諭は振り返る。
 その後田教諭が携わってきたのが、16年度から実施している「グローバル講演会」だ。進学主任を務めていた際、偏差値偏重の大学選びに疑問を抱いたことがきっかけだった。年2~3回、国際的に活躍している講師を呼び、その後の座談会「ワールドカフェ」とセットで実施している。講師探しから生徒主体で運営しているのが特色だ。教員側にも「いろいろなものの見方があるんだと気付かされました。多様性と共通性をテーマとする生物の授業にも還元しています」と、グローバル委員会に所属する大竹亜由美教諭は話す。
 さらに、①「諫早を知る講演会」(第1学年)②県内企業がブースを作って説明する「未来人財セミナー」(同)③東京への修学旅行で生徒が申し込みも行う「企業訪問・研究室訪問」(第2学年)――などを連携させ、地域や日本、世界に目を向ける機会としている。

 3年間を通した課題研究は「2030年の幸せな日本の創造」を大きなテーマに据え、未来への提案をすることを目標にしている。人口減少に悩む地域を知り、貢献しようとする「グローカル」な視点を持たせることも狙いだ。課題研究をきっかけに、文化祭で生徒会が中心となって地域の商店街に出店してもらう企画にも発展。諫早市役所とは「生徒がアポも取らずに副市長に会いに行く」(研究部主任の近藤潤教諭)ほど濃密な関係を築いている。
 この他、各教科の授業で教科横断的な視点により批判的思考力を育てる「CDA(Comprehension, Discover, Ambition)委員会」の存在も、校内で 新しい授業づくりを推進する役割を果たしているという。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

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その他の取り組み

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