カテゴリー 12020年採択

長崎県立長崎東高等学校

対象者数 840名 | 助成額 200万円

https://www.news.ed.jp/higashi-h/

Program「ともによき世を創る」
~世界の平和と共生を目指し、協働・共創でイノベーションを~

 幕末から明治にかけ坂本龍馬や岩崎彌太郎が活躍し、日本の近代化の礎を築いた長崎から、世界の平和と共生を目指し、新たな価値を創造できるグローバル人材を育成する。日本、中国、西洋が融合した独自の文化を育み、第2次世界大戦の惨禍から復興を成し遂げた長崎の豊かな教育資源を活用し、複数の視点や学問分野を融合させてさまざまな社会課題に取り組む。

 企業とのコラボレーションや、海外とのWEB会議、フィールドワークによる共同研究など、生徒の視点を世界に向け、心と行動に化学変化を起こす。主軸となる課題研究においては、生徒が発見したグローバルな課題に対し、多文化共生、環境、医療、 経済、教育等複数の視点を融合させたアプローチを行う。国内外の高校・大学・企業等と協働して客観的データに基づく解決の手立てを探り、合同フォーラムを開催し、未来社会に向けた提言を行う。

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SDGsでクロスカリも

  1884(明治17)年創立の県立長崎中学校など旧制4校を前身する伝統校で、県内でも新しい取組は「『ひがし』が先にやる、という意識が強い」(鳥居正洋教諭)。04年度には県立長崎中学校を併設。15年度には国際科(2クラス)を設置するとともにSGHに指定され、現在はWWLカリキュラム開発拠点校として県内外12校や海外3校、多数の企業とも連携している。

 SGH指定を契機に、探究学習を普通科(5クラス)にも拡大することにし、▽大学・企業等との協働による高度な学びや新しい視点との出会い▽複数の視点や分野を融合させ、新たな価値の創出につながる課題研究――を柱に取り組みを進めている。
 WWL拠点校として「『世界の平和と共生』に貢献するイノベーティブな人材の育成」の研究開発に取り組んでおり、「WWL7(ひがしで育成したい力)」として①課題発見・解決力②創造力③情報分析・活用力④自己表現力⑤協調性⑥学ぶ意欲⑦地球市民性――を設定。S(変革)、A(創造)、B(思考)、C(習得)、D(未達成)の5段階によるルーブリックも作成している。
 高校1年次の初期には、クロスカリキュラムでSDGsについて教科横断的・集中的に学習するシラバスも編成している。
 6年間の探究プランとしては、▽中1=地域を観る(新書レビュー、平和フィールドワーク)▽中2=長崎を観る(好きなこと探究、平和課題探究)▽中3=社会へ発信する(SDGs論文作成)▽高1=社会や世界を観る(SDGs探究①)▽高2=社会や世界とつながる(SDGs探究②)▽高3=国際社会に貢献する(国際会議、英語論文)――としている。

 過去2回の「九州SGHフォーラム」主催の経験を踏まえ、来夏にはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)等協働校との合同フォーラム、さらには22年度に国際会議を生徒主体で開催することを目指している。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

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